ー救助者が一人・二人の場合ー

救助者が一人の場合

部屋が倒壊する恐れがあり、周辺に救助者が一人しかいない場合、部屋から出るのが最優先事項です。近くに毛布などがあれば被災者をくるんで頭部から引っ張る「クレープ巻」搬送が有効です。毛布がない場合は、二人の場合の一人目のみで負傷者の上体を引き上げ、引きずって部屋から出ます。

 

救助者が二人の場合

部屋が倒壊する恐れがあり、周辺に救助者が二人いる場合は、二人で担いで移動します。

救助者が二人の搬送では、ひとりが負傷者の後ろ側につき、負傷者の両脇から手をつかみ、引き揚げます。足元の救助者は負傷している足を組ませ、抱えます。負傷者に見えない不安を与えないためと安全面から足側から移動します。


ー救助者が複数人いる場合ー

イスでの搬送

救助者が複数人近くにいて、イスや毛布がある場合の負傷者の搬送の仕方です。

イスの場合は写真のように足元から引き上げます。この時イスの安定を考え、できれば救助者の背の高さが均等になるようにします。階段を下りる場合は重心を後ろに倒して降ろします。

備品を使って搬送する場合は、形状の確認が必要です。写真のイスは座面近くに継手の『溶接』があったので、そこを外して持つようにします。毛布担架の棒として取り上げられる物干しざおですが、ものによっては折れたりする場合もあるので安全の確認は重要となります。


車イスでの搬送

車イスが近くにある場合、平地ではそのまま押しますが、階段での搬送では4人でおろします。車イス自体にかなりの重量があるので、救助者は持ち手の位置が重要になります。複数人での救助では背の高さとともに立ち上がる際のバランスも重要になるので、立ち上がる際の「掛け声」と、写真にもあるように膝をつくのは負傷者側の膝にして左右のバランスを取ります。

毛布での搬送

近くに毛布がある場合は、負傷者の近くまで巻いていき持ち手を作ります。

身近まで巻いていくのは張りつめた状態の方が負荷がかかりにくくするためです。この場合も対面の救助者とのバランスや頭側・足側に立つ救助者のバランスを考えながら足側から移動します。


<ロープ・救出

<可搬式ポンプ>

大阪市消防局作成動画